着ぐるみ運用時の便利グッズ
着ぐるみの運用を始める方・既に着ぐるみを運用されている方に、着ぐるみの運用を助ける便利グッズをご紹介します。
・ふとん収納袋
・ブルーシート
・着ぐるみ専用たすき
・プラダンケース
・トランシーバー
・磁気ボード
・消臭&殺菌スプレー
ふとん収納袋
気温・湿度が高い時期になると、着ぐるみにカビが生えてしまわないかが心配です。
そんな時の収納用アイテムとして役立つのが「ふとん収納袋」です。アトリエパレットでは、納品時にエアー着ぐるみをふとん収納袋に入れてお渡ししています。
ふとん収納袋の多くは”不織布”という通気性のある素材で出来ています。長期間に渡って着ぐるみを保管したままにする場合など、箱やスーツケースよりもふとん収納袋に入れておいた方がカビや雑菌の繁殖が少ないので安心です。季節によっては、市販の防臭剤やシリカゲル等の防湿剤を一緒に入れておくと更に安心です。
アトリエパレットでは制作途中の着ぐるみや、補修作業のために着ぐるみを一時保管する際にも使用しています。布団収納袋に入れておくことで、うっかり周囲の汚れがつくことを防止でき、カビや雑菌の繁殖を心配せずにホコリが被らないように保管できます。
また不織布は薄手で軽量なため、使用していない時は小さく畳める事もメリットです。屋内での一時的な移動時など、必要に応じて使用する場合にもかさばらないため気軽に常備しておくことが出来ます。
注意点としては、収納袋に入れる前に必ず着ぐるみが湿っていないかを確認するようにして下さい。特に着ぐるみ着用後にメンテナンスをせずにそのまま収納してしまうと、内部の汗や表面の汚れが着ぐるみに定着してしまう恐れがあります。
せっかくの保管に便利な収納袋ですから、メンテナンス後のコンディションが良い状態で中に収めてあげるのが着ぐるみにとっても幸せです。
また、屋外のイベントなどで持ち運びをする際には、水・泥跳ねによって着ぐるみが汚れる恐れがありますので適していません。防水・撥水性の袋などに収納して持ち運んでください。
着ぐるみの使用機会が暫くない時に保管トラブルは発生しやすいので「ふとん収納袋」を是非利用して下さい。
ブルーシート
市販されている普通のブルーシートです。着ぐるみを脱ぎ着する際に地面に敷くためのもので、着ぐるみの使用の際には是非常備しておきたいアイテムの一つです。
納品後に着ぐるみをお預かりする際、砂埃や煤にまみれた着ぐるみを目にすることがあります。足元だけではなく、胴体や顔まで真っ黒です。そんな着ぐるみは、地面に直接置いたり、シート無しの状態で脱ぎ着されている事が一目でわかります。
そこで一番簡単かつ効果的な汚れ防止策がブルーシートの使用です。
着ぐるみ収納箱やキャリーケースの中に入れておくだけで、着ぐるみの出先での運用の際に大活躍します。ブルーシートのサイズも様々ありますが、大きすぎると嵩張ってしまいます。着ぐるみのサイズにもよりますが、2×2メートル程度の大きさがあれば問題ないです。エアー着ぐるみの場合は、分解できるパーツも少ないので、人が立って着脱出来る最小限のサイズでも大丈夫です。
アトリエパレット製の着ぐるみは、納品時にブルーシート1枚が付属しています。ブルーシート以外にも、クールベスト(保冷剤付き)・消臭スプレーなどの無料オプションが付属されているため、初めてのお客様でも安心して着ぐるみの運用を開始出来ます。
着ぐるみ専用たすき
着ぐるみキャラクターが活動する目的は様々です。キャラクター自身が主役の場合や、商品・団体等のアピールや宣伝が目的の場合もあります。
その際、着ぐるみがアピールしたい内容の書かれたタスキを身に着けていると、一目で「キャラクター名・商品名・団体名」などを伝えることができます。
選挙などでもおなじみのグッズですが、着ぐるみ専用のタスキをご紹介します。
人間用のタスキで良いんじゃないか?とお考えになるかと思います。しかし、人用のタスキを着ぐるみに流用しようとすると困ってしまうケースが2つあります。
・1つ目は、着ぐるみが大きすぎてタスキの長さが足りない
・2つ目は、着ぐるみは「肩」がない形状である事が多いため、タスキがズレ落ちてしまう
特に2つ目は人間用のタスキとは使い勝手が大きく異なるため、どのように着ぐるみに適した仕様で固定するかをケースバイケースで考える必要があります。
写真はエアー着ぐるみのミックス君用に作成したタスキのサンプルです。動いたり腕を振ったりしてもずれ落ちることなくしっかりと留まっています。
着ぐるみ専用タスキには、ちょうど肩に掛かる位置に固定用の紐が付いています。この紐を着ぐるみの首にグルっと回して結ぶことでズレ落ちを防止しています。紐は着ぐるみの色味に合せているので、目立たせず自然な印象に見えます。
ご紹介した仕様の他、首が全く無い着ぐるみなどの場合はタスキの裏と着ぐるみの肩の内側にそれぞれ強力な磁石を取り付け、ピッタリと固定する方法などの仕様もあります。
プラダンケース
着ぐるみをどうやって「保管・運搬」するかは、運用を始めてから検討する機会があります。当初は決まった場所だけで運用するつもりだった着ぐるみでも、他所へ出張したり遠方の着ぐるみイベントに参加する事になったりするケースがあります。そういった際に陸送業者さんを利用する必要が頻繁にあると、繰り返し使用できる頑丈な着ぐるみ用の梱包箱が必要になってきます。そんなケースでよく使用されるのが「プラダンケース」です。
アトリエパレットでは通常、エアー/ウレタン着ぐるみ共に厚手の段ボール箱に梱包して納品をさせて頂いています。着ぐるみを頻繁に輸送されることが予想されるケースでは、ご要望に応じて紙ダンボール箱より耐久性が高いプラダンケースの手配も承っています。
写真はエアー着ぐるみの梱包用に製作したプラダンケースです。三辺合計が160cm以内ですので、運送業さんを利用して陸送の手配をする際にとても便利なサイズです。
持ち運び用に取っ手も付いていますので、荷運びの際にお一人でも困ることなく持ち運びが可能です。バックル付きの荷締めベルトが装備されているので、運搬時に箱の底が抜けてしまったり蓋が開いてしまう心配もありません。
着ぐるみを収納していない時は、折りたたんでコンパクトな形状に畳むことが出来ます。イベント会場等の控室などは使用できるスペースが限られている場合も多いので、梱包箱を一時的に折りたたむ事ができると窮屈さを感じずにフレキシブルな着ぐるみの運用を実現できます。
トランシーバー
着ぐるみキャラクターは、イベントやお祭などの人が多く集まる賑やかな場所に出向くことが多いと思います。また、会場ではスムーズな移動や安全確保のために、着ぐるみの横にアテンドが付くのが基本です。
しかし、着ぐるみアクターさんとアテンドさんの連携が重要なのにもかかわらず、会場が賑やかなため着ぐるみを通しての会話ができない状況になる場合があります。こうなってはスムーズな連携ができないため、アクターさんに周囲の状況を伝えて上手にエスコートしてあげることがとても難しくなります。
そこで、そんなときのためにトランシーバーを一組用意しておくと、とても便利で安心です。
様々な付加機能の付いた機種や基本性能が高い機種など、安いものから高価なものまで様々です。アクターさんと補助スタッフの方はすぐそばにいると思いますので、そこまで通信距離や精度が優れたものでなくても充分です。本体2台セットでマイク・イヤホン付きの機種が1万円以内で購入できます。
アトリエパレットでも、お客様からのご依頼で着ぐるみキャラクターのアクトをさせて頂いたり、工房のマスコットキャラクターのミックス君とイベントにお邪魔する際には、必ずトランシーバーを携帯しています。
混み合った場所でのスムーズで安全な入退場や、写真撮影をしたい方のために一旦止まってそちらに向いてあげる等の気配りのできた振る舞いなど、お客さんにとって気持ちの良い操演が出来ます。
磁気ボード
着ぐるみを操演する際、キャラクターの特徴や性格などの設定を元に動きや仕草を考えます。その時大事なのが「どうやって周囲の人とコミュニケーションを行うか」です。手を振ったり握手をしたり、気持ちをダンスやジェスチャーで表現したり、中には決めセリフやアドリブなど喋るキャラクターもいます。そんな風に声を出せたら伝えられる内容でも、身振り手振りだけの場合では難しい場面もあります。
「声は出せないけれど言葉では伝えたい」そんな時、便利なアイテムが「磁気ボード」です。
小さいころ、この磁気ボードで遊んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。医療現場等では事務用品として使われています。磁石を使った仕組みになっていて、専用のタッチペンを使うことでインクや鉛筆いらずで字や絵を描くことが出来ます。
ホワイトボードやスケッチブックではなく、どうしてこの磁気ボードがお勧めかというと、磁気ボードは着ぐるみが手に持って使う際にインク等で汚れることが無いからです。
視界が限定され、着ぐるみ越しにペンを握って何かを書こうとしても手元が定まらず、うっかり着ぐるみにペン先が触れてしまってショック!というが心配ありません。
また、着ぐるみが直接字を書いたりしない場合にも、即席の案内文やメッセージ等を書いてアテンドさんが持たせてあげる使用方法もあります。会場案内やイベントの開始時刻のアナウンスなど、現場ならではの小回りの効く用途が考えられますね。こういった時にも、やはり汚れが付かない磁気ボードは気軽に使えるため便利です。汚れを心配せずに着ぐるみと一緒に気軽に収納できるので、荷物も気軽&コンパクトに纏めることができます。
消臭&殺菌スプレー
着ぐるみキャラクターが元気いっぱいに動きまわると、中のアクターさんが篭った熱で汗だくになることもしばしばです。特に夏場は、操演が終わると着ぐるみの中がとんでもなく蒸れてしまいます。そして長期に渡って使用するうちに、着ぐるみの内側にも汚れや匂いが溜まっていきます。
臭いの対策といえば出番の多いのが消臭スプレーです。着ぐるみのメンテナンスでも必須アイテムの1つです。
アトリエパレット製の着ぐるみにも消臭・殺菌スプレーが付属しています。着ぐるみ運用を始めた際の頼もしい味方になってくれると思います。
スプレーの使用方法は簡単です。着ぐるみ操演後、着ぐるみの内側を硬く絞った布巾等で綺麗にした後に20〜30cmほど離してスプレーをまんべん無く吹きかけ、風通しの良い場所で乾かすだけです。しっかりと乾かした後は、カビや臭いの心配なく保管して頂けます。
着ぐるみに市販の消臭スプレーを使用しても問題はありません。様々なタイプの商品が出ていますので、着ぐるみに使用する場合には以下のポイントで選ぶのがお勧めです。
消臭・殺菌スプレーの選び方
1.無香料・微香料
消臭スプレーといえば、ファブリーズやリセッシュ等を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ほのかな香りが臭いを覆い隠してくれるのでとても便利なのですが、着ぐるみに常用する場合には注意が必要です。
着ぐるみの内部は、衣類や布団に比べると通気性がよくありません。香りの強い消臭剤を長年使用し続けた着ぐるみの内部は、強烈な芳香剤の香りが常に充満した状態になってしまいます。そうなると着ぐるみ着用後、気分や体調が悪くなってしまう方が出てしまいます。
着ぐるみに使用する消臭スプレーは、出来るだけ香料の入っていない(もしくは少ない)ものを選んで下さい。
2.殺菌・除菌効果付き
着ぐるみ使用後に気になるのは汗の匂いですが、そのまま保管をしてしまうと雑菌が繁殖してしまい、更に強烈な臭いに変わってしまいます。そこで、消臭剤を選ぶ際には殺菌・除菌の効果があるものを選んで下さい。着ぐるみ使用後に殺菌をしてよく乾かす事で、保管中に発生する臭いをぐっと抑える事が出来ます。また、着ぐるみを使用する方がカビやウイルス等で体調を悪くしてしまう心配がなくなります。
3.人体に有害ではない
消臭・殺菌の効果が高いものを探すと業務用途で、塩素系の成分やその他人体に有害な化学物質を含むものが見つかります。これらは設備や機器等に使用する事が前提になっているものが多いため、着ぐるみに使用するのは危険です。商品の説明をよく読んで、できるだけ人体に害の少ないものを選ぶようにして下さい。
上記以外にも使用される方がアレルギーを持っていたり、着ぐるみに特殊な素材が使われている場合等は状況に応じて選ぶ必要がありますが、基本的な選び方の基準にはなるかと思います。
一例として、アトリエパレットでも使用している消臭剤をいくつかご紹介します。
おすすめの消臭・殺菌スプレー
A2Care(エーツーケア)
一般的な除菌・消臭剤とは違い、匂いを基から除去します。
ANAを始め、航空会社や鉄道会社、スポーツ施設などにも採用されています。
ポジティヴィスト(チャーミスト)
消臭だけでなく、殺菌効果の高いスプレーです。医療機関等でも使用されています。
G2TAMα プラス(G2TAM)
天然の大豆から抽出されたアミノ酸が主成分です。人体への害が少なく、除菌・消臭・防カビ除菌の効果があります。
無水エタノール(健栄製薬)
消臭剤ではありませんが、保管時の事を考えると夏場の使用が終わった頃に一度エタノールで消毒をしておくと安心です。本品と精製水(水道水でも可)を8:2の割合で混ぜ、スプレーすると高い殺菌効果があります。
塗装面を傷める性質があるので、着ぐるみの仕様・構造によっては使用できませんのでご使用前によく確認して下さい。
消臭スプレーのご使用後は必ず、風通しの良い場所でよく乾燥させるようにして下さい。